U.S. NAVY Overcoat




U.S. NAVY Overcoat (アメリカ海軍オーバーコート)
1931年6月26日フィラデルフィアにて製造
海軍兵学校(USNA)で支給されたコートです
















釦の開け閉めで、表情豊かに変化するシルエット
ダブルブレスト特有の堅苦しさはなく
むしろ、かろやかな印象すら与えます





サイズ選びの基準として「胸囲」を目安にすると良いでしょう

まずは、ご自身の胸囲にメジャーを当てて、ヌード寸法を出してみてください
胸囲のヌード寸法から「+12~14cm」前後のサイズを選ぶのがオススメです

例えば、ヌードサイズが83cmの場合は、サイズ1または2
92cmの場合は、サイズ3または4
100cmの場合は、サイズ5または6がピッタリになります

S M Lサイズで表すと下記のようになります。



レディースの場合は「1」がMサイズや9号と同等のサイズ感になります。
普段Lサイズを着ている方は「2」や「3」を選ばれます。

メンズの場合は「3」が、Mサイズの目安となるでしょう。
細身の男性で「1」を選ぶ方もいます。

迷ったときは「大き目のサイズを選ぶ」ことをお勧めしております。


サイズ選びで迷った時は、問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください


  172cm 62kg サイズ3を着用

中にシャツや薄手のニットを着て、ジャストサイズです。




大胆さの中にある、柔らかな曲線
無骨なミリタリーとは一線を画す、洗練されたパターンです

このシルエットを構成するパーツは、前身と後身のみ
必要最低限の構造で、色気のある表情をつりだしています

「歴史をまたぐ普遍的な構成美」を味わってください



  172cm 62kg サイズ3を着用
なかにジャケットや厚手のニットを着たい場合は、サイズ4の方が良さそうです。















作例:中肉のウールフラノ
サイズ1を9号のボディに着せてみました。














156cmの女性
サイズ1を着用
普段はS~Mサイズの洋服を着用

適度なゆとりがあり、中にジャケットやニットなどを着こむこともできます。
フィット感もオーバーコートらしい丁度良くみえます。





160cmの女性
サイズ1を着用
普段はM~Lサイズの洋服を着用

なかにカットソーを着用してジャストフィットです。
とても綺麗に着られています。



このコートは男の軍服パターンの設計ですが、女性が着ても格好よく決まるんです。
1930年ごろの紳士服は、スーツ好きのあいだでは「黄金時代」と呼ばれています。
完成された造形美をしているのです。









紳士服のパターンなのでバストダーツはありません。
ところが非常にきれいな胸のシルエットが出ています。
これも当時の型紙の特徴です。





サイズ1着用
165cm細身の男性

中にシャツを着用してジャストフィットで着用できています。
ジャケットやニットを着るのは難しそうです。
サイズ2でしたら中に着こむこともできるでしょう。








こちらも165cmの細身の男性
サイズ1を着用

中にかなり厚手のニットを着ているので少し窮屈な印象です。
サイズ2でしたら丁度良いでしょう。

しかし、美しく流れ落ちる身頃のシルエットは健在です。



下記にオリジナルのディテールをまとめます


U.S. NAVY Overcoat 独自の衿
「多段返りのバルカラー」








いかなる天候にも対応すべく

「2つの返り線」が同居する興味深い設計











約90年が経った今もなお、同じデザインのコートがアメリカ海軍で支給されています
USNA



実物の内ポケットに縫い付けられたミルスペック
「6/26/1931」と日付が確認できます
所有者は、D.N.CLAY



アメリカの象徴である「イーグル」が造形されたメタル釦




裏には「NEW YORK」の刻印




身頃の芯地
台芯が麻、胸増しがバス、フェルトとなります




左脇ポケットの真横に走るダーツ
そして、そのダーツ脇には「ソードスリット」が設けられます




裏からみた脇ポケット(スロテッドポケット)と ソードスリット
脇ポケットは貫通式のスロテッドになっており、袋布はマフ仕様になります




後身頃の裏地には、ステンシルされた所有者の氏名が縫い付けられます
裏地はモヘア混のようなザラついた肌触り
袖裏は厚手のレーヨンに思えます




重量級のコートを支えるために、衿吊りは金属チェーン製




釦ホールはなんと、絹糸を用いた「手かがり」

明らかにクオリティが他の軍服とは異なります
あまりにも、美しいです