書留鞄(Kakitome-Kaban)
昭和40年ごろに郵便局員が使用した、手紙を入れる小さな鞄です
レトロな雰囲気と、郵便鞄としての機能的な設計が魅力的な1点です
文庫本や財布にスマホ、マスクなどが容易に入っていきます
小ぶりな見た目以上にものが入るので、驚かれるかもしれません
ヨコ:12.9cm
奥行:5cm
【 昭和51年発売 てがみをください 】
古い絵本のなかに書留鞄が登場していました
郵便受けに住み着いたカエルが、手紙を待ち続ける絵本です
ラストシーンで登場する配達員のおじいちゃんが、腰に茶色の書留鞄をぶら下げています
そして「日本の郵便鞄」であることに惹かれました
アメリカやフランスの古い郵便鞄は、ビンテージ好きのなかでは根強い人気があるアイテムなのです
「メールバック ビンテージ」や「ポストマンバック ビンテージ」で検索してみてください
海外のメールバックを知っているからこそ、この日本の小さなメールバックに惹かれたのかもしれません
手紙をたくさん入れるため抜群の収納力があります
偶然にも手紙に合わせた縦長のシルエットのため、スマホがピッタリ入るのです
シンプルな設計ながらも、随所にひと手間が加えられ機能的に仕上げられています
その職人技を2点紹介します
アウトポケットには「絞り」の技法が用いられ、立体整形がされています
絞りとは、革を水で充分に濡らし専用の木型などにはめ込み乾燥させることで、縫わずに立体を付ける技法です
横からみると、ポケットが立体的に浮き出ているのがわかります
丈夫な厚い革を使用しているので、縫いによる立体造形が困難だったのでしょう
かといって薄い革で立体をつくっても、今度は書留鞄としての耐久性が足りません
そこで、絞りを用いたのだと推測できます
私が製作した型紙は、普通の布でも作れるようにアレンジしています
この絞りの立体感は「極小のダーツ と ゆとり」を設けることで再現しています
書留鞄の絞りが、経年変化により丸みを帯びた雰囲気になったのを意識して、設計しました
ベルトが千切れた際に交換するため、取り外し可能な金具を付けている場合もありますが、このように鞄本体を囲うように付いているのは珍しい仕様です
特に両端は力のかかる部分なので、私が製作した鞄には補強を入れました
例えば、革ベルトではなくビンテージテープを入れてみると、鞄全体を囲いながら通るので印象が大きく変化します
テープに変えれば長さも自由に調整できます
書留鞄は和服にも相性が良いと思うので、組紐を合わせてみるのも面白いのではないでしょうか
金属チェーンや、シルクリボンを通してみても違った表情を見せてくれるはずです
これは各自の判断で省いても良いでしょう
なぜか側面のベルトに思いっきりぶつかる位置にあります
ペン挿しのサイズも狭くて浅いので、エンピツや細身のペンしか挿せません
販売する型紙にも設置しています
ヴィンテージらしい可愛らしさがあります
非常にわかりやすく紹介されています
それらを繋げましょう
私は無しで縫いました
ペン挿しのみ、小さいパーツなので5mmにしています
本体が完成したあとに、鏡の前で合わせてみながらお好みの長さを決めてください
「お好みの長さ + 本体を囲う長さ」で直線裁ちしたほうが、型紙を置いて切るより綺麗に仕上がるでしょう
続いては「付属品」に移ります
「ヤスリがけ、火で炙る、銀黒の塗布」の3手順で加工しています
自己責任で挑戦してください
私は初めて錠前を取り付けました
お使いになる錠前に合わせて微調整をしてください
お使いになる生地に合わせて検討してください
※補強用の型紙はデータに含まれません
ただし両端部分は最も力が掛かる部分ですので、錠前同様に裏にスエードを当ててミシンステッチを施しました
これで耐久性が大幅にアップします
ある程度の厚みがないと、錠前金具が取り付けられないので、使用する金具と素材で決定しましょう
こちらも初めてでしたが、簡単に取り付けることができました
こちらは錠前と違って、大苦戦
上手く取り付けるのに4,5回やり直しました・・・
取り付ける際は、キズが付かないようにペンチにスエードの端切れを噛ませると良いようです
私はヴィンテージ風に製作したので直接いきました
さらには、あらかじめ鞄の角を切り落としてから角金を付けています
写真は分解したポケットの裏面です
真ん中だけ黒く、外側は白くなっているのが解ります
これは、縫われる外側の革だけを薄く削いで縫いやすくしているのです
本体にも漉きが入り、ポケット端を包んでいました
小さな鞄ですので「手縫い」でも充分つくれると思います
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単純に、この書留鞄をヨコ向きのデザインにした型紙です
販売する型紙には、タテとヨコの両方が入っています
その後、外周1cmの縫い代をつければ型紙が完成します
学長の動画を見れば怖いものなしです
書留鞄の特徴である「ぐるりと本体を囲みながら付いていたベルト」ですがA4サイズでつくると上手く安定しませんでした
レザーなどの固い素材でつくれば問題ないのでしょうが、布でつくる方はベルトをマチに縫い付けて固定した方が良いでしょう
写真の矢印部分マチの先端で左右を固定しています
衣服標本家:長谷川さんの販売されている半・分解展の型紙で『書籍鞄』を。
— 高城みよ | Miyo Takashiro (@inktrans) April 23, 2024
縫う幅狭すぎて角金が付けられなかったり、色々荒い仕上がりだけど初レザークラフト楽しかった🪡 pic.twitter.com/dA76rZN8Mw
書留鞄その2。これは次の秋冬用!と呪文を唱えながら作成。ウールコーデュロイニットファーとがっつり冬素材です。蓋をもう少し大きくしても良かったかな?とかタグつけ忘れたなとか。
— なな*みみ (@nanaxmimi) February 20, 2021
衣服標本家長谷川さん@rrr00129
JFOA学長 @j_f_o_a
#半分解展をつくろう pic.twitter.com/fiPnGeVRzt
書留鞄の型紙を見つけてすぐに作りたくなったが手元に素材なし。空いた米袋があったのでそれで作ってみた。わりと丈夫だしベルト部分もとれる。いいサイズ。いつか革か布でも作ってみたい。#半分解展をつくろう pic.twitter.com/VS7b9oIXdh
— keguri_ (@keguri_) February 13, 2021
書留鞄を作ってみました🪡同じ生地とボタンでレトロなワンピースも一緒に🥰— ミクモマリ (@mikumo_mari) February 13, 2021
衣服標本家の長谷川さん@rrr00129 の書留鞄を作ってみましたー!ポイントはチラチラ見える山吹色です。チラチラ見えるように紐は結ぶ形で。本体からもチラ見えするようにちょっとだけ外側に出すを心掛けて。— なな*みみ (@nanaxmimi) February 14, 2021
時間かかったけど書留鞄できた。
— Dej! (@deji_s_) February 28, 2021
帆布縫うのも金具付けるのも革パーツも苦労した…粗だらけだけど何とか形になりましたわ…勉強になったし楽しかったです✌︎('ω')✌︎#半分解展をつくろう pic.twitter.com/UZd6TIj2gw