Crinoline Visite(クリノリン ヴィジット)
1870年フランス サーキュラー状に美しく広がる羽織りものです
ヴィクトリア時代19世紀の半ばから流行した「クリノリン スタイル」は、円形に広がる巨大なスカートが特徴です
そのスカートの上に合わせた羽織ものが、今回紹介する【クリノリン ヴィジット】です
製作したクリノリンヴィジット
青色のメルトンウールで製作
クリノリンヴィジットは、肩を少し落としたゆったりと着るデザインになっています。
サイズを選びの基準として「胸囲のヌード寸法」が参考値になります。
まずは、ご自身の胸囲にメジャーを当てて、ヌード寸法を出してみてください。
例えば、あなたのヌード寸法が83cmの場合は、サイズ1または2
91cmの場合は、サイズ3または4
101cmの場合は、サイズ5か6がぴったりになります。
例えば、S M Lサイズで表すと下記のようになります。
レディースの場合は「1」がMサイズや9号と同等のサイズ感になります。
普段Lサイズを着ている方は「2」や「3」を選ばれます。
メンズの場合は「3」が、Mサイズの目安となるでしょう。
細身の男性で「1」を選ぶ方もいます。
迷ったときは「大き目のサイズを選ぶ」ことをお勧めしております。
サイズ選びで迷った時は、問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
着用画像や動画を参考にサイズをお選びください。
1870年フランスの羽織り【クリノリン ヴィジット】
— 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) May 2, 2024
着物のうえに合わせてみたら、意外にも馴染みました
衿を抜いて整えてみると " 変形トンビ " みたいな感じに収まります
約150年前の造形美ですが、現代でも通用しそうですね
(このヴィジットは着物地でつくってみたんです)
※型紙も販売中です pic.twitter.com/Wv6K6Vyvh0
160cm女性 サイズ1を着用
普段着る洋服のサイズはM~L
ちょうどジャストサイズです
ゆったりとした着心地なので、中にニットなどを着る余裕もあります
普段着る洋服のサイズはM~L
ちょうどジャストサイズです
ゆったりとした着心地なので、中にニットなどを着る余裕もあります
内袖には「隠し袖」がしこまれており、腕が自由に動きます
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152cm女性 サイズ1を着用
普段着る洋服のサイズはS~M
ちょうど良く着れています
普段着る洋服のサイズはS~M
ちょうど良く着れています
クリノリンヴィジットは後姿が素敵です
176cm男性 サイズ1を着用
意外にも?パンクなスタイルにも良く似合っていました
バックスタイルも良い感じに決まっています
クリノリンヴィジットは、男性が着てもカッコイイんですね
161cm女性 サイズ3を着用
ロング丈(+20cm)にアレンジ
ロング丈(+20cm)にアレンジ
着物の上に合わせてみました
サイズ3でぴったりです
サイズ3でぴったりです
サイズ1でも羽織ることはできましたが、前が閉まりませんでした。
サイズ3ですと、ちょうど良く着ることができます。
サイズ3ですと、ちょうど良く着ることができます。
衿を折り返して抜いて着ると、着物にも馴染みます。
クリノリンヴィジットは、アームホール(腕の付け根)が大きくつくられています。
なので、着物のうえに楽に着ることができます。
なので、着物のうえに楽に着ることができます。
変形トンビみたいなデザインも面白いですよね。
着物×クリノリンヴィジット、おすすめです。
丈を長くして、ロング丈にしてみるのもオススメです
とても可愛く仕上がるのでオススメです
左と中央にいる大人の女性は、クリノリンヴィジットを着用しています
子供も含めて、全員がクリノリンスタイルです
子供も含めて、全員がクリノリンスタイルです
美しいドレープに目を惹かれます
私が所有するクリノリンヴィジットは、1870年ごろのものです
クリノリンスタイルも終焉に近付き、バッスルに取って代わるタイミングです
クリノリンスタイルも終焉に近付き、バッスルに取って代わるタイミングです
そのためか、円形に広がるシルエットも落ち着いており、比較的現代にも合わせやすいヴィジットになっています
特にバックスタイルの見た目がたまらなく可愛いです
実は、このクリノリンヴィジットには「驚くべき構造」が隠されていたのです
それが「隠し袖」です
画像を比べて解る通り、袖の内側に小さな隠し袖が収納されています
この袖は、フランスの狩猟服によく見られる「ピボットスリーブ」という、腕の可動域を広げる役割を持った袖です
隠し袖があるおかげで、このクリノリンヴィジットは非常に腕が動かしやすい1着になっています
バッスルヴィジットを並べてみると、ちょうどヘソのうえで手を重ねる位置に隠し袖がくるのが解ります
狩猟服の袖ですが「美しく佇む淑女のポーズ」に設計されていることが読み取れます
もちろん私が製作した型紙にも隠し袖を設けています
ピボットスリーブの基点位置に改良を加え、美しさはそのままに、より動きやすさを向上させています
ピボットスリーブの基点位置に改良を加え、美しさはそのままに、より動きやすさを向上させています
一見すると、普通の袖にみえますが・・・
腕を上げると、この通り「隠し袖」がみえてきます
隠し袖があることで、腕が上がるように設計されています
裏地のつくりも特筆すべき構造になっていました
まず、19世紀の婦人服には多くの場合「ウエストベルト」が裏地側に縫い込まれます(矢印部分)
人体の腰と衣服のウエストを密着させるためにカギホックでしっかりとホールドするのが普通ですが、クリノリンヴィジットに縫い込まれているのはただの「シルクリボン」です
カギホックなどは付いておらず、優しくウエストで絞ることができるつくりになっていました
この仕様は着用者にとって締め付けが少なく、快適だったのではないかと想像ができます
そして、この「内ポケット」
数多くのアンティーク品を見てきた私も初見の、驚くべき構造をしていました
前端左右に2つ、左腰に1つ、計3つの内ポケットがありますが、なんと・・・
前端に付く内ポケットは「横向き」に取り付けられていたのです
一体これは何のためのポケットなのでしょうか
私が製作したサンプルにも実物同様にポケットをつくりました
同じ向き、同じサイズで再現しています
恐らくこの左右にある内ポケットは「マフポケット」の一種だと思います
マフポケットとは、ミリタリーウェアなどによく見られる、手を温めるために使うポケットです
このクリノリンヴィジットのマフポケットは、指先が入る程度の小さなものなので「フィンガーマフポケット」ではないかと考えています
実際に着用して、ポケットに手を入れてみると良い塩梅に落ち着くので驚きました
前時代に流行ったショールをリメイクして、ヴィジットに作り替えた婦人も多くいたそうです
その巨大化したスカートの見た目から、風刺の対象にもなったクリノリンスタイル
実物は総裏キルティング仕様でしたが、私は背裏に小さな袖裏を付けただけのシンプルな仕立てにしています
大きくえぐれたアームホールが良くわかります
これだけゆとりがあれば、インナーは何でも着れそうですね
これだけゆとりがあれば、インナーは何でも着れそうですね
皆さんもクリノリンヴィジットをおつくりください
縫っていて、とても楽しい1着でした
1870年フランスの羽織り【クリノリン ヴィジット】
— 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) May 2, 2024
着物のうえに合わせてみたら、意外にも馴染みました
衿を抜いて整えてみると " 変形トンビ " みたいな感じに収まります
約150年前の造形美ですが、現代でも通用しそうですね
(このヴィジットは着物地でつくってみたんです)
※型紙も販売中です pic.twitter.com/Wv6K6Vyvh0
1870年ヴィクトリアン時代
— 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) March 21, 2021
円形に広がる上着「ヴィジット」を縫いました
「クリノリン」と呼ばれる円形に拡張したスカートに合わせて着用する上着です
贅沢に布を使用してつくられるヴィジットは、まさに上流階級の証
歩くたびに揺れうごく装飾が、見る者に優雅な印象を与えます
特に袖の構造が... pic.twitter.com/7s7Cl1Rted
19世紀末ヴィクトリアン時代
— 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) January 25, 2021
女性が着用した「ヴィジット」を研究用に購入しました
ミッドナイトブルーのベルベット生地に、チャコールグレーのレースが縁どられた1着です
こちらも「袖の構造」がこれまでのヴィジットとは一線を画す興味深いものでした pic.twitter.com/VFgF8Axl9n