kimono Visite

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Kimono Visite(着物ヴィジット)
ジャポニスムから生まれたヴィジットを、和装に合わせてアレンジしました








半・分解展でも大人気の「ヴィジット」

「着物の羽織り」として着用される方が多くいたので、ヴィジットのデザイン的な特徴はそのままに、和装でも心地よく着られるように【Kimono Visite】として新たに設計しました。




ヴィジットは肩幅が小さめのつくりですが、ご安心ください。
肩幅を補填するために、特殊な構造の袖になっているので、ちゃんと着られます。

サイズを選びの基準として「胸囲のヌード寸法」が参考値になります。
まずは、ご自身の胸囲にメジャーを当てて、ヌード寸法を出してみてください。

例えば、あなたのヌード寸法が83cmの場合は、サイズ1または2
91cmの場合は、サイズ3または4
101cmの場合は、サイズ5か6がぴったりになります。
着用画像などを参考にサイズをお選びください。

サイズ選びで迷った時は、問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

下記、着用画像も参考にされてください


身長146cmの女性
サイズ3を着用

着用者のヌード寸の胸囲は、約91cm
和装したときの胸囲は、約101cm
(普通サイズのお太鼓をして、帯ごと最大径を計測)

上記寸法で、サイズ3がジャストサイズでした。

ヴィジットを着用する際は、薄目~普通サイズのお太鼓がおすすめです。
厚みのあるものですと、少し窮屈に感じるかもしれません。






複数の着用者にヒアリングしたところ、大きく2つのポイントが好評でした。

1・動きやすい
2・衿元が美しい

実は、この2点に重点を置いて、着物ヴィジットを設計したのです。
1つづ、設計の特徴を説明します。

「動きやすさの秘密」


着物ヴィジット最大の特徴が【脇身頃がなく、ゴムで繋がっている】点です。
この仕様にすることで、造形美はそのままに着心地が抜群に良くなりました。



上記写真のようにヴィジットは、大きな袖のなかに脇身頃が隠されています。
脇身頃が、前後の布を繋ぐ役割を担って造形を描いています。
しかし、身頃が身体にフィットしているため、着物の上に羽織ると少し窮屈な着心地になってしまいます。

ところが、ある1着のヴィジットが驚きの構造をしていたのです。


このヴィジットは、脇身頃がなく「ゴム」で前後の身頃を繋いでいたのです。
この仕立てには心底驚きました。
と同時に、フィットする脇身頃がない分、非常に着心地が良かったのです。


着物ヴィジットは「ゴム仕立て」を取り入れることにより、着物のうえに羽織っても窮屈感が少なく、かろやかな着心地になっています。



「衿元が美しい理由」





着物ヴィジットは「抜衣紋」に合わせて、襟ぐりと肩傾斜に大幅な修正を加えました。
そのため、着物の襟ぐりに沿った状態で美しくヴィジットを着ることができます。



ヴィジットらしさは残したいと考え、着物ヴィジットには小さな「スタンドカラー」をデザインしました。

前端までカラーを付けると野暮ったい印象になるので、あえて首元の脇までを支えるように設計しています。


もともとヴィジットはスタンドカラーが主流です。
防寒着としても重宝されたアウターですので、首元をまもるために衿が付くデザインが多かったのです。
また、ヴィクトリア朝の貞操観念としても、上流階級の女性は首・手首・足首を隠す洋服を好んでいました。

着物ヴィジットには、和洋の意匠を同居させています。



ここからは、さらに詳しく着物ヴィジットのデザインを紹介していきます。




着物ヴィジット 全体図

袖のデザインは着物をイメージして直線的に。
前身頃はオリジナルのまま曲線的な裾のカットを残しています。



袖を開くと小さな内袖がでてきます。
動くと袂がチラリと見えるので、合わせる着物選びも楽しいですね。



袖をより開けてみると「脇身頃がない」ことが良くわかります。
これが着心地向上のポイントなんですね。



脇身頃の代わりに、ゴムが前後の身頃を繋いでいます。
ゴムは、左右前身頃の両端と、後身頃の背中心に縫い付けられています。



フロントの開閉はスナップボタンを採用しました。
紐飾りを付けてみたりと、お好きにアレンジしてみても良いと思います。


着物ヴィジット 背面

背面はこのようなデザインです。
後身頃の裾が短いですね。

これは当時流行した、お尻を盛り上げる「バッスル・スタイル」の名残りです。
「前身頃は長く、後身頃は短く」というスタイルが19世紀末ヴィジットの定番でした。






後ろ身頃の両端には「スリット」が入ります。
スリットがあることで、袖の可動域が広がり快適に動くことができるのです。

両端スリットが好みでない方は両端を縫ってしまい、センターにスリットを入れるのもひとつの手です。
お好みでアレンジしてお楽しみください。



スリット止まりには、水牛釦とシルクタッセルをデザインしました。
当時のヴィジットも、背面には装飾が施されます。
タッセルやフリンジなどの揺れる装飾が好まれていました。




着物ヴィジットの製作には、上記動画が参考になると思います。

通常のヴィジットの縫い方動画ですが、脇身頃の部分以外はほとんど同じです。
ぜひ参考にされてください。

後々、着物ヴィジットの縫い方動画もアップします。
(2024年の春頃には)


ここからは、着物ヴィジットの作例を紹介していきます。




こちらは1880年代フランスのヴィジットです。
初めてこの1着をみたときは、着物風のデザインを強く感じました。



袖や裾のカットが直線的であることで、より日本風に感じたのかもしれません。



しかし、バックスタイルちゃんとバッスルのシルエットになっています。
この絶妙なバランスが面白いですよね。



衿の部分は、もともとスタンドカラーだったものを折り返して、V字の開きにリメイクされていました。
V字の開きはヴィジットでは珍しいです。
もしかすると、日本マニアのフランス人が「着物風」にリメイクしたのかもしれません。
そんな想像が膨らみます。




続いては、ヴィジットの型紙を購入された方の作品です。
被布襟にアレンジにしたとても素敵な作品です。



飾り紐は吉祥結び、後ろウエストには叶結びを使い分けて華やかに。



襟ぐりのフィット感もピッタリと収まっています。
美しい。





【 1891年アメリカ The Japanese sleeve 】

19世紀末に「ジャパニーズ・スリーブ」の異名で紹介されているヴィジット。
100年以上の時を経て、あなたの手でヴィジットをかたちづくるのはいかがでしょうか。

半・分解展オリジナルの【着物ヴィジット】をお楽しみください。

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