Visite long(ヴィジット ロング)
1892年イギリス 「ジャポニズム」の文脈を組み込んだヴィクトリア末期の衣服です
最大の特徴は「振袖」のように長い袖です
其の実、袖に隠されたボディウエストはしっかりと絞らており、秘めた女性性も感じさせます
サイズ1着用
どことなくチャイニーズ風な印象も感じますね
サイズ1着用
製作時の参考にしてください
19世紀の構造美は、現代にも充分通用します
着物用ロングヴィジットついに完成しました!
— じん@自分の服は自分で作ろう (@jinn_miyabi) December 25, 2021
半分解展で長谷川さんから補正のアドバイスをいただき試行錯誤しながら実用可能な着物コートに仕上げました。
ヴィジットを着物に合わせたら可愛いのでは?という発想を実際に形にできて良かったです。
妻への良いクリスマスプレゼントになりました。 pic.twitter.com/kFJ8yTMzGR
奥様へのクリスマスプレゼントとのこと...本当に素晴らしい仕上がりです
生地の魅力が栄える造形美です
まずは「ヴィジット ロング」のディテールに迫ります
大きな袖に隠れてしまうので、通常は見えることはありません
その理由は「抜衣紋の衿」と「んの字の肩」この2つです
詳しく紹介していきます
衿が「三角形」のかたちになって、首の後ろにゆとりが生まれています
洋服と和服の特徴を上手く組み合わせていますね
この両者が揃うことで、平仮名の「ん」の字が浮かび上がります
んの字は、半・分解展の衣服すべてに見られる特徴です
小ぶりなラウンドカラーとなり、見た目の印象もガラッと変化します
ウエストベルトを付けることで、身体と衣服のウエストが密着し、コルセットをした時代の理想的なシルエットが表現できます
もちろん現代でコルセットをすることは、あまりないかもしれませんがウエストベルトをするだけヴィジットのシルエットが抜群に美しくなるので、製作する方にはぜひ取り入れていただきたいディテールです
詳しくは動画で解説します(こちらです)
初めは「総裏」仕立てでつくることを強くお勧めしておきます
1892年イギリス
— 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) February 1, 2021
ヴィクトリアン時代の女性たちの羽織りもの「ヴィジット」を縫いました
この衣服は19世紀末の数十年のみ流行り、廃れました
羽織りとジャケットが混ざった構造に「和服」のテイストが取り入れられています
恐らく万博の影響を受けて生まれたのでしょう
複雑怪奇な構造は、必見です pic.twitter.com/oTKOhmx3Hg
19世紀末ヴィクトリアン時代
— 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) January 25, 2021
女性が着用した「ヴィジット」を研究用に購入しました
ミッドナイトブルーのベルベット生地に、チャコールグレーのレースが縁どられた1着です
こちらも「袖の構造」がこれまでのヴィジットとは一線を画す興味深いものでした pic.twitter.com/VFgF8Axl9n
1892年イギリス ヴィクトリア時代の女性が羽織った「ヴィジット」を縫いました
— 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) January 18, 2021
「Japanese Sleeve」とも呼ばれた振袖風のテーラードスリーブが特徴です
袖に覆い隠された身頃はコルセット型につくられ、しっかりとウエストの「くびれ」が造形されています pic.twitter.com/HZJPnZ4kkC
1880年「ヴィジット」を研究中です
— 衣服標本家:長谷川 (@rrr00129) December 26, 2020
以前tweetした1892年イギリス製図書から製作したヴィジット(写真2枚目)
袖の構造をより深く理解するために、実物を入手しました
ブラウンのベルベットにビーズ刺繍が散りばめられた豪華な1着です
では、下記に気付いた点をまとめていきます pic.twitter.com/9DsEtBCbqs